“介護”と“住宅改修”のことが知りたいですか?
この記事では、介護業界歴10年以上のだいタカが、介護保険で活用できる“住宅改修”のことを分かりやすくまとめています。
これから「お年寄りが住んでいる自宅を手直ししたい」と思っている方は必見です!
“介護保険”と“住宅改修”
今ある住宅を改修する時には、“ある一定の条件をクリア”すれば特定の改修費の負担を、1割~3割にすることがでます。
ポイントは、「介護保険×住宅改修=助成制度」です。順を追って内容をチェックしましょう!
(制度の正式名称は、“居宅介護(介護予防)住宅改修費”という)
対象者
対象となるのは次の2つの条件を満たした人です。
- 介護認定結果が要支援1~2か、要介護1~5の人。
- 自宅に住んでいる人。
※施設に入所していたり、入院中だったりする場合は対象外です。(一部例外あり)
また、新築を建てる場合や老朽化により補修工事をした場合などもNG。
あくまでも、「住む家を、介護生活を過ごしやすいように改修する工事の費用を助成する制度」というわけです。
6種類の住宅改修工事
対象となる工事と対象とならない工事があります。(厚生労働省によって定められている)助成対象の工事の種類は以下の6つです。
- “手すりを取り付け”る工事
- “段差を解消する”工事
- 滑りの防止や移動の円滑化などのための“床または通路面の材料を変更する”工事
- 引き戸等への“扉の取替え”をする工事
- 洋式便器等への“便器の取替え”をする工事
- その他の“住宅改修に関係して必要となる住宅改修”の工事
1,“手すりを取り付け”る工事
廊下、玄関、階段、トイレなどに手すりを取り付け、移動をしやすくしたり転倒防止対策に役立てたりする。
2,“段差を解消する”工事
リビング、廊下、トイレ、浴室などの段差や傾斜を解消するため、敷居を低くしたり、スロープを設置したり、浴室の床をかさ上げしたりする。
3,滑りの防止や移動の円滑化などのための“床または通路面の材料を変更する”工事
リビング、階段、浴室などに使われている滑りやすい床材を滑りにくい床材に取り替えたり、車椅子が使いやすいように畳の床をフローリングに変更したりする。
4,引き戸等への“扉の取替え”をする工事
開き戸を引き戸や折戸、アコーディオンカーテンなどに変更したり、握力が弱くなると開閉しにくいドアノブの変更や、扉を動かしやすくするための戸車の設置をしたりする。
5,洋式便器等への“便器の取替え”をする工事
和式トイレを洋式トイレに取り替えたり、洋式トイレをより立ちあがりしやすい洋式トイレに取り替えたりして、トイレを使いやすくする。
6,その他の“住宅改修に関係して必要となる住宅改修”の工事
上記1~5の工事に伴った改修工事をする。(手すりを固定するために必要な最低限の壁の下地補強など)
※住宅改修費の対象外の工事をあわせて行うこともできます。
費用について
まずは、具体例から紹介します。
Aさん(要介護1・負担割合1割)が、自宅に“手すり取付”と“浴室の床のかさ上げ”の工事をして30万円かかった場合。介護保険の住宅改修を活用すると、Aさんが負担する改修費用は12万円になります。
計算内容
①工事の費用30万円のうち、助成の対象外の自己負担費用は10万円になります。(助成できるのは20万円までなので、30万円から20万円を引いて残った費用=10万円)
助成対象の20万円については、Aさんの場合20万円のうち1割だけ負担すればOKなので、自己負担の金額は20万円×10%=2万円です。
Aさんが介護保険を活用して工費30万円の住宅改修をした時の、自己負担金額の合計は、①の10万円と②の2万円を合わせた12万円となりますね。
ポイントは以下のとおり
- 改修工事費用の20万円までが助成の対象(支払限度基準額)
- 自己負担金額は助成対象の費用の9~7割(所得により変わる)+助成対象外費用
- 要介護度が3段階以上重くなった時や、転居した時は、再度20万円までの支給限度基準額が設定される。
- 利用できる回数は原則一人につき一回(例外あり)
- 20万円の範囲内であれば複数回に分割することも可能
支払い方法に注意
支払いは基本的に、対象となる工事費用を全額事業者へ支払い、改修工事完了後にかかった費用の9割(一定以上の所得者は8割または7割)を払い戻してもらいます。
(最初から費用の1割(一定以上の所得者は2割または3割)を支払うだけでOKな場合もあり)
住宅改修の流れ
- 住宅改修についてケアマネージャーなどに相談
- 事業者による家の下見・改修プランの作成
- 申請書類の一部を提出(事前申請)
- 工事施工・完成
- 住宅改修費の支給申請・決定
①担当のケアマネージャーに相談して、介護保険の住宅改修の利用を検討。
②工事を担当する事業者と打合せし契約。
③住宅改修の支給申請書類の一部を市区町村に提出。
④事前申請にしたがい工事開始→終了。
⑤領収書などの書類を市区町村に提出。改修費が支給される。
必要な書類
住宅改修の支給申請にあたって必要となる書類は、工事の事前に提出するものと事後に提出するものの二種類があります。
事前に提出する書類
- 支給申請書
- 住宅改修が必要な理由書
- 工事費見積もり書
- 住宅改修後の完成予定の状態がわかるもの(写真又は簡単な図を用いたもの)
事後に提出する書類
- 住宅改修に要した費用に係る領収書
- 工事費内訳書
- 住宅改修の完成後の状態を確認できる書類
- 住宅の所有者の承諾書(住宅改修を行った住宅の所有者が当該利用者でない場合)
まとめ
介護保険の住宅改修を上手に活用すれば、身体の変化にあわせて自宅のを住みやすいように改修でき、費用面の負担も少なくすることができます。
ケガの予防や、介護する側の負担軽減にもなるので積極的に活用したいですよね。
介護保険の住宅改修制度を知っていれば、いざという時に備えましょう!
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